スピニングリール

買う前に知っておきたい シマノ 21ナスキー vs 21アルテグラ 徹底比較

21アルテグラ vs 21ナスキー
ヨッシー

ナスキーをあまく見ていたヨッシーです。

2021年はシマノさん、やってくれました。
これまで低価格帯のリールはダイワが売上のシェアを独占していたのですが、ついにシマノさんが切り込んでくれました。

アルテグラに始まり、今度はナスキー、そしてネクサーブがモデルチェンジ!
コロナ禍の影響で発売日がズレ込んでしまいましたが2021年11月、ついに 21ナスキー が発売されました。
釣具店の店員から「もうすぐ 21ナスキー 発売するよ」ってことで旧ナスキーを買わずに待っていた方も多いのではないでしょうか。

今回は 21ナスキー(NASCI)21アルテグラ(ULTEGRA)、どちらがコストパフォーマンスに優れたモデルなのか?この性能差と価格差であれば 21ナスキー がお得なのか?という観点でカタログ上のスペックと実機でのインプレッションを徹底比較。

ただし、 21ナスキー には3000番台に「XG(エキストラハイギア)」の設定がないため、21ナスキー C3000HG21アルテグラ C3000XG とで比較していきます。

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スペック比較

まずはスペックの比較から。
スペックについては同じ番手のC3000HG(ハイギア)で比較します。

21ナスキーC3000HG21アルテグラC3000HG
ギア比6.26
実用ドラグ力/
最大ドラグ力
(kg)
3.5/9.03.5/9.0
自重(g)240225
スプール寸法
(径mm/ストロークmm)
46.5/14.547/17
糸巻量ナイロン(号-m)2.5-180
3-150
4-100
2.5-180
3-150
4-100
糸巻量フロロ(号-m)2.5-160
3-130
4-100
2.5-160
3-130
4-100
糸巻量PE(号-m)1-400
1.5-270
2-200
1-400
1.5-270
2-200
最大巻上長
(cm/ハンドル1回転)
9189
ハンドル長
(mm)
5555
ベアリング数
BB/ローラー
5/15/1

まず同じHGではありますが、21ナスキー はギア比が「6.2」で 21アルテグラ が「6」と違いがあります。
ギア比が高いからといって優れているということではなくリールの味付けと考え、特に 21ナスキー が優れているとは考えていません。

明らかなスペックの差という観点で見れば自重の違いがあります。
21ナスキー の自重が 21アルテグラ より15g程度、重くなっています
他の番手を含めるとカタログ上ではありますが、15~25gほど21ナスキーが重いです。
これはさすがに優越の差と考えることができるでしょう。

自重以外は特に大きな差は見られませんでしたので21アルテグラに1ポイント付けたいと思います。

技術特性比較

次は技術特性上の比較。

21ナスキーC3000HG21アルテグラC3000HG
“HAGANE”ギア
マイクロモジュールギアⅡ
X-SHIP
サイレントドライブ
コアプロテクト
Xプロテクト
Gフリーボディ
AR-Cスプール
ロングストロークスプール
CI4+
S A-RB
ワンピースベール
海水OK

21ナスキー の進化ポイントとしてサイレントドライブの搭載がありますが、見ての通り技術特性においては6つの機構で 21アルテグラ21ナスキー を大きく上回っています。

  1. マイクロモジュールギアⅡ
  2. Xプロテクト
  3. ロングストロークスプール
  4. CI4+
  5. S A-RB
  6. ワンピースベール

上記の中でも特に注目される 21アルテグラ の技術特性を4つ(マイクロモジュールギアⅡ、Xプロテクト、ロングストロークスプール、ワンピースベール)ご紹介します。

マイクロモジュールギアⅡ

マイクロモジュールギアⅡ の搭載によりギア強度のアップと滑らかな巻き心地となりますが、残念ながら 21ナスキー には搭載されていません。
このマイクロモジュールギアⅡの非搭載が実際にどれだけ巻き心地に影響がでるのかは後で実機検証したいと思います。

Xプロテクト

21ナスキー にも防水性能としてコアプロテクトという機構が備わっていますが、その上位にあたるのが Xプロテクト

21アルテグラ には採用されている Xプロテクトですが、コアプロテクトより水の侵入を格段に防ぐことが可能となります。

ロングストロークスプール

ロングストロークスプール は、スプール糸巻き部の幅を長くすることでキャスト後半のラインの減り量を抑えることができ、キャストフィーリングと飛距離が向上します。

スプール比較:21アルテグラ(左) と 21ナスキー(右)

画像を見ての通り、同じC3000番なので糸巻量は変わりませんが 21アルテグラ の方が 21ナスキー よりスプール長が明らかに長いです。

ワンピースベール

ワンピースベール はその名のとおり、継ぎ目のない一体成型のベール。
21アルテグラ には搭載されていますが 21ナスキー には残念ながら搭載されていません。

21ナスキーの2ピースベール

2ピースベールだとベールの隙間にラインが挟まることによりラインが傷つき、キャスト時にラインが切れてしまうようなトラブルが発生する可能性があります。

21ナスキー の大きな不満点であるこのワンピースベールの非搭載。
採用を期待していた方も多いと思うのでこの点は非常に残念でなりません。

技術特性のまとめ

技術特性比較については 21アルテグラ が6ポイント差をつけて圧勝でした。

実際の巻き心地比較

今度は実機を使って巻き心地について比較します。

21ナスキー はマイクロモジュールギアⅡ非搭載ということで正直、比べるまでもなく 21アルテグラ の圧勝だと思っていますが、実際にどれほどの差があるのかを比べてみました。

まずは 21ナスキー から。

21ナスキーの巻き心地チェック

釣具店でも巻き心地についてチェックしたのですが改めて確認すると・・・

思っていたよりもかなり滑らか。

え?これで十分じゃね?って思うほどに滑らかさにビックリ。

ただ、自分の 21ナスキー がハズレ個体かもしれませんが、早巻きするとシュルシュル音がひどく。
釣具店に展示されていた 21ナスキー はここまでシュルシュル音は酷くなかったような気がするだけにちょっと残念。

次は 21アルテグラ

巻き心地チェック
21アルテグラの巻き心地チェック

21ナスキー を巻いて後だと特に違いがわかります。

明らかにマイクロモジュールギアⅡの恩恵であろう、ヌルヌル感あるシルキーな巻き心地ってヤツ。

比べなければ 21ナスキー でも十分滑らかと思えるのですが、さすがに 21アルテグラ には勝てません。

やはりといいますか、巻き心地は 21アルテグラ の圧勝ですね。

ローターの比較

次はローターの比較。

21ナスキー21アルテグラ ともに恐らく材質は高強度樹脂と思われますが強度の違いはあるのでしょうか。

念のため、ローターを左右から掴み強度をチェックします。

21ナスキーのローター強度チェック
21アルテグラのローター強度チェック

特に強度の違いは感じられず同じぐらいに思えます。

21ナスキー はそれなりに剛性感もありそうです。

ということでローター比較はドローにしたいと思います。。

ハンドル比較

21ナスキー21アルテグラ に続き、供回り式ハンドルから折り畳み機能付きのねじ込み式ハンドルへ変更となりました。

これによりハンドルのガタツキが軽減されることと、アタリが取りやすくなります。

低価格帯リールのほとんどが供回り式ハンドルを採用している中、21ナスキー のねじ込み式ハンドル採用はかなりインパクトがありますね。

では念のため両者を比較してみましょう。

21ナスキーのねじ込み式ハンドル
21アルテグラのハンドルは折り畳み式
21アルテグラの ねじ込み式ハンドル

ハンドルは共通かな?と思うぐらい同じように見えます。

なのでハンドル比較はドローですね。

外観および質感比較

次は外観と質感について見ていきます。

リールのデザインは結局のところ個人個人の主観によるものが大きいと思いますので、ここはばっちり独断と偏見でチェックしたいと思います。

21ナスキー 全体
21ナスキー スプール
21ナスキー ボディ
21アルテグラ全体
21アルテグラ 全体
21アルテグラ スプール
21アルテグラ スプール
21アルテグラ ボディ
21アルテグラ ボディ

21ナスキー のカラーリングはメタリックカラーでシンプルであり、個人的にはカッコいいと思います。

一方、21アルテグラ は正直、カラーがあまり好みではないんですよね。

ただ、21ナスキー は値段が値段なのでところどころチープさがあり、21アルテグラ の方が作りがしっかりしていて、トータルで評価すると外観や質感はドローかな?って感じです。

リール同士の互換性比較

次はスプールとハンドルの互換性比較を見ていきたいと思います。

スプールの互換性は?

スプールの互換性はどうでしょうか。

スプールの互換性があると、互換性のあるリールとスプールが使いまわせるので本体にトラブルが発生したり、釣りによってラインを替えたいという場合に役立ちます。
また、機種によってスプールの価格が違うので下位機種のスプールを替えとして別購入するということもありだと思っています。

まず 21ナスキー のスプールの互換性はどうでしょうか。

シマノ公式サイトにあるスプールの互換表をみると、多くのリールと互換性があります。
互換性のあるリールがこちら。

  • 16-18ナスキー
  • 17-18サハラ
  • 17-18セドナ
  • 21ナスキー
  • 21ネクサーブ

どうでしょうか。
21ナスキー はロングストロークスプールが採用されなかったということで残念に思っている方も多いと思いますが、従来のスプール形状を継続することで、旧型ナスキーのスプールを使用することも可能となるわけです。
21ネクサーブ のスプールとも互換性があるのが何気にうれしいです。

対して、21アルテグラ はどうでしょうか。

21アルテグラ21ナスキー とは逆に互換性のある機種がありません。

なので、もし替えスプールが欲しい場合は別途、購入するしかありません。

スプールの互換性を重視している自分としては21ナスキーに1ポイントです(2ポイントあげたいぐらい)。

ハンドルの互換性は?

続いてハンドルの互換性。

シマノ公式サイトにあるハンドル互換表を見ると、21ナスキー21アルテグラ ともに互換性があり、他多くのリールと互換性があります。

ちなみに互換性があるリールは以下のとおりです。

  • 18-19ステラ
  • 20ツインパワー
  • 19ヴァンキッシュ
  • 19ストラディック
  • 20ヴァンフォード
  • 20ストラディックSW
  • 21ツインパワーXD
  • 21エクセンス
  • 21コンプレックスXR
  • 21アルテグラ
  • 21セフィアXR
  • 21ソアレXR
  • 21ナスキー

ハンドルの互換性はドローですね。

21ナスキーにはローターツバ非搭載

あったらうれしいのがローターツバ

ローターツバ
ローターツバ

中級機以上のスピニングリールには大抵ついているのですが、こいつのおかげでローターの隙間からラインが巻き込みメインシャフトに絡まるライントラブルが激減します。

21アルテグラ には搭載されていますが、残念ながら 21ナスキー には搭載されていません。

特に初心者だとライントラブルを防ぐ機構は重要だと思うので 21アルテグラ に1ポイントです。

21ナスキー はラインストッパー変更

購入するまで気づかなかったのですが、21ナスキーはラインストッパーが変更されています。

21ナスキーのラインストッパー

この形状でラインがかなり掛けやすくなっています。
21アルテグラ は従来のラインストッパーなので当然、ここは 21ナスキー に1ポイントですね。

比較結果

結果は・・・

21ナスキーC3000HG21アルテグラC3000XG
スペック比較01
技術特性比較06
実際の巻き心地比較01
ローターの比較00
ハンドル比較00
外観および質感比較00
リール同士の互換性比較10
ローターツバ01
ラインストッパー10
合計ポイント29

やはり、2:9 で 21アルテグラ の圧勝でした。

ここまでは予想通りなわけですが、今度は価格を考慮してどちらがコストパフォーマンスに優れたモデルなのか?どちらがお買い得なのか?を確認してみましょう。

21ナスキー C3000HG の定価は¥12,500、実売価格は¥8,800~¥10,000
21アルテグラ C3000XG の定価は¥17,300、実売価格は¥12,200~¥14,000

定価では¥4,800、実売価格は¥3,400~¥4,000の差です。

この価格差とポイント差からどう見るか?ですが、自分は明らかに 21アルテグラ がコストパフォーマンスに優れたモデルだと思います。

15gの軽さ、巻き心地、ワンピースベールとこれだけで¥4,000ぐらいの価値はあるのではないでしょうか。
さらに防水性能も高く、ライントラブルも軽減されるわけですから、21ナスキー と 21アルテグラ で迷っているのであれば 21アルテグラ をおすすめします

特に、初心者が購入するモデルとして 21ナスキー と 21アルテグラ のどちらがおすすめですか?と聞かれたらライントラブルの少ない 21アルテグラ が断然おすすめですね。

ただし、21ナスキー も¥10,000で買えるリールの中では申し分のないモデルなので予算がどうしても合わない場合は 21ナスキー でもいいのかと思います。

皆さんの購入の参考になれば幸いです。

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